アフターピルの仕組み

アフターピルの仕組み

アフターピルは避妊に失敗した後に服用する緊急避妊薬で、モーニングアフターピルとも言われています。

72時間以内に飲むと、95%以上の確率で避妊に成功するとされているアフターピルは、妊娠の流れを利用した仕組みになっているのです。

アフターピルを飲むことでどのようにして妊娠が回避できるのか、その仕組みを探っていきましょう。

アフターピルで避妊できる理由とは?女性ホルモンの仕組みについて

錠剤をもつ医師
アフターピルで避妊できる理由として、2つの女性ホルモンの仕組みが関わっています。

月経に関わる女性ホルモンは2種類

月経に関係する女性ホルモンは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2つです。

エストロゲン

エストロゲンは卵巣で作られ、卵巣内でできた卵胞を成熟させて排卵に備える働きを持っています。

排卵後に受精が完了すると、エストロゲンは次に子宮内膜(子宮の壁)を厚くして受精卵が着床しやすい環境を作るのです。

エストロゲンの分泌は月経の終り頃から増加し、排卵期の前後にピークを迎えます。排卵が終わると分泌量が減り、次の月経が始まると再度増加していきます。

プロゲステロン

プロゲステロンは妊娠を継続させる働きを持っています。排卵後にプロゲステロンの分泌量が増え、次の月経が始まるまでおよそ2週間続きます。

受精と着床が起こらなかった場合は分泌量が減りますが、妊娠が成立した場合は分泌量がさらに増加し、妊娠が継続するような身体作りをサポートするのです。

緊急避妊薬が効く理由

緊急避妊薬が避妊に効くのは、高濃度のホルモン量によって体内のホルモンバランスを操作しているからです。

薬剤に含まれているエストロゲンやプロゲステロンが体内に入ることで、脳が妊娠していると錯覚して、この2つのホルモンが生理的に生成されなくなります。

排卵前に緊急避妊薬を飲むと、これらのホルモンの働きにより排卵が抑制され、排卵後の場合は子宮内膜が厚くならずに着床する可能性が下がります。

妊娠のメカニズムを知ろう

お腹のあたりでハートを持つ女性
妊娠は、排卵と授精、着床という流れを経て子宮の中で受精卵が育っていく過程を指します。

排卵では、まず卵巣内で卵胞と呼ばれる卵子の元になる細胞が数多く育ちます。ほとんどの卵胞は消えてなくなってしまいますが、そのうちの1つがさらに成熟して卵子になります。

卵子が育つと、卵胞を飛び出して卵管を通り卵管采(らんかんさい)にたどり着きます。これを排卵と呼ぶのです。

性交によって精液が膣内に入ると、数億個の精子が卵管に向かいます。ほとんどの精子はその途中で死滅してしまい、卵管に到達できるのはその中の200個程度と言われています。

卵管へと無事に到達できた精子1個が、卵子と結びつくと受精卵と変化し、1週間ほどかけて細胞分裂をしながら子宮に移動し着床します。着床が完了すると、妊娠が成立したと言えます。

女性が妊娠する仕組みと中絶について詳しい記事はこちら≫≫

アフターピル服用後のホルモンバランスと避妊効果について

アフターピルを服用すると、数時間内に体内のプロゲステロンの量が多くなり、排卵が遅くなったり受精卵が着床しづらい環境が出来上がります。

ホルモンバランスが妊娠中のような状態になるため、脳が排卵を止める指令を出したり、受精卵が着床できないように子宮内膜が厚くなるのを防ぐようになるのです。

服用後、3日~3週間程度で生理のような出血がありますが、これは自然におこる生理とは違い、「消退出血」とよばれる子宮内膜が剥がれた後の出血が起こります。この出血をもって、避妊が成功したといえます。

避妊が成功する確率は、時間が短ければ短いほど高く、12時間以内の服用で99.5%、24時間以内で98.5%となっています。セックス後すぐに服用することで、ホルモンバランスがより操作しやすくなるのです。

アフターピル服用時に注意すること

ビックリマークを指差し
アフターピルを服用した後は、いくつか注意しなければいけないことがあります。

まず、服用直後のセックスを避けることです。服用後にセックスをしてしまうと、アフターピルの効果が発揮される前に再度妊娠の可能性が出てきてしまいます。服用後はなるべくセックスは控えるようにしましょう。

アフターピルの種類によっては、喫煙を控えないといけない錠剤があります。これは、喫煙が血栓症の危険性を高めるためです。喫煙の習慣がある場合は、問診の際に必ず医師に伝えるようにしましょう。

すでに妊娠している状態、または妊娠している可能性がある方は、服用してはいけないとされています。妊娠している状態でアフターピルを服用してしまうと、母体に悪影響を及ぼす危険性があるため、心当たりがある場合は、まず妊娠検査を行いましょう。

授乳中の方も、医師によっては服用を勧めないことがあります。問題ないと判断された場合でも、母乳の味が変化して赤ちゃんが飲んでくれないというケースもあるようです。完全母乳育児をしている方は、特に注意が必要です。

他にも、高血圧や糖尿病の方など、重い症状や病気を持っている場合はアフターピルの服用が制限されます。持病があるにも関わらず医師に伝えずに服用すると、重い副作用を発症させる恐れがあるため、自分の身体の状態は必ず医師に伝えるようにしましょう。